病気の説明

CdLS(コルネリア・デ・ランゲ症候群)ってどんな病気なの?

Cornelia de Lange Syndrome (CdLS)

CdLSとは

CdLS(Cornelia de Lange Syndrome )は、1933年にオランダの小児科女医コルネリア・デ・ランゲによって、似たような症例の2人の子どもが発表されたことから、彼女の名前を取って病名が付きました。1916年には、すでにブラッハマン医師がこの症例を持つ子どもたちを発表していましたが、現在は「コルネリア・デ・ランゲ症候群」という名前の方が定着しています。

「症候群=Syndrome」同様な症例が見受けられる病気の医学的呼び方です。各患者によって症状や症例は違いますが、はっきりと識別できます。

出生率

3万人~5万人に1人と言われているが、正確にはわからない。

出生時

低体重出生(常にではないが、2,500グラム以下)低くうなるような泣き声。

成長

出生時から認められる低身長・発達遅滞・骨成熟の遅れ。

頭蓋

小短頭症。

顔つき

症状としては、患者同士がとてもよく似ていることです。濃く中央で癒合した眉毛、カールした長い睫毛、小さい鼻(前向き鼻孔)長い人中(鼻の下)、細くて端の下がった薄い唇、小顎症、短頸。

四肢

多毛症(前頭・上腕・背部に多く見られる)大理石様皮膚、口周囲にチアノーゼが見られることもある。小さな手足、猿線、肘の屈曲拘縮、手足の奇形(手・指・腕などに奇形を伴う患者もいる)第5指の斜指・欠損、短肢、第2・3趾の合趾症。

その他

胃食道逆流現象、てんかん、心臓疾患、口蓋裂、内臓異常、摂食障害、軽度から重度の難聴を伴う患者もいる。男子では停留睾丸。

原因

長年の間、原因不明とされてきましたが、2004年5月に責任遺伝子が発見されました。

概要

この遺伝子は5番染色体の短腕の根元近く(くびれのすぐ上)に存在する.ただし責任遺伝子の「1つ」であり、別の遺伝子が関与している可能性も現在のところ否定できない.この遺伝子は極めて大きな遺伝子である(完全に構造が解明されている保証も現在のところ厳密にはない).臨床的にきちんと診断された患者さんでも,この遺伝子の変異が認められる率は,1つの論文で20%,もう1つの論文で50%以下に過ぎない(その後の論文などを総合的に考えると最大でも2/3程度のようです).この遺伝子の「種々の理由で検出できない変異」が存在する可能性や,別の遺伝子が関与している可能性などが考えられるが,現在のところわからない.(2004年 石井拓磨 先生寄稿より抜粋)
その後、関連して働いている幾つかの遺伝子も責任遺伝子であることが発表され、同様な他の遺伝子の研究もなされている(2008年 石井拓磨 先生により追記)

生命予後

以前は、多くの子どもが深刻な医療問題によって死亡していた。このようなことはもはや無くほとんどが成人できる。

診断

コルネリア・デ・ランゲ症候群は出生後に判別される。つまり、この病気の特徴の多くが、生まれてから、もしくは生後しばらくしてから診断がつくからです。症状は軽度から重度まで多彩で、軽度の例では診断が難しいこともあります。

*このページには医療アドバイザー 石井拓磨先生にご協力頂いています。

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